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赤いフクロウのショートストーリー

短い小説を書いています。

赤いフクロウのショートストーリーへようこそ

白い悪魔が飽きたようなので、また一人でやろうかな。





たまに奴が思い出したように小説を書くかもしれないが
気をつけよう。



夜空を見上げてごらん、星が綺麗だね。
でもね、僕は思うんだ。
ランキングボタンを押す君の指の方が
はるかに綺麗だよ。

指輪捨て物語

        4




長い冒険の末、男はようやく山頂の火口にたどりついた。
男は振りかぶり、トルネード投法で思いっきり指輪を火口にぶん投げた。
「さよなら、ステファニー。」
男の口から無意識に言葉がとびだした。
その瞬間、全ての記憶がよみがえった。
男は出会って三日のステファニーに恋をした。
男の行動力はハンパではなかった。異常なほどの行動力の持ち主であった。
男は家に伝わる指輪を持ち出し、ステファニーにプロポーズしたのだ。
ステファニーはこう言った。
「ソーリー、アイ キャント スピーク ジャパニーズ」と。
男の思いはステファニーには届かなかった。
男は英語が全く話せないが、なんとなくステファニーが断っていると感じた。
男の妄想は激しい。きっとステファニーは「汚ったねぇ指輪だなおい。そんなお古の指輪であたいが喜ぶとでも思ってんのかい?あたいを喜ばしかったらダイヤやらルビーやらサファイアやらなにやらかにやらゴテゴテついた、ごっつい指輪でも持ってくるんだなゲヘヘヘ、イ~ッヒッヒッヒ。」と英語で言っていると思ったのだ。
言葉が通じない、すれ違いが生んだ悲劇だった。
男はショックのあまり我を忘れ記憶を失っていたのだ。指輪に抱いていた忌々しい負の感情は、このためだったのだ。
呆然として火口を眺めていた男に後ろから声がかかる。
「いい冒険したな。」
男が後ろを振り向くとそこには魔王と魔王の仲間、オジサンとオバサンが立っていた。
「父さん・・・母さん・・・。」
記憶を取り戻した男ははっきりと思い出した。魔王と魔王の仲間は父と母だったのだ。
父と母は指輪を持ち出した息子を面白がって尾行して見ていたのだった。家に伝わる指輪を捨てようとしたときはさすがに止めたけどね。
うなだれる息子を父は力強く抱きしめ、母はやさしく抱きしめた。
火口を見て母が言った。
「今夜はキムチ鍋ね。」
男の今回の冒険は終わった。つらい冒険であった。
キムチ鍋でも食べて、ゆっくり休むといい。
人生という大冒険はまだまだ続くのだから。



        完
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テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

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