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赤いフクロウのショートストーリー

短い小説を書いています。

赤いフクロウのショートストーリーへようこそ

白い悪魔が飽きたようなので、また一人でやろうかな。





たまに奴が思い出したように小説を書くかもしれないが
気をつけよう。



夜空を見上げてごらん、星が綺麗だね。
でもね、僕は思うんだ。
ランキングボタンを押す君の指の方が
はるかに綺麗だよ。

考える人

       3



考える人は今回もくだらないことを考えている。
考える人はゲームをしているときに考えることがある。
この世界の自分以外の全ての人やモノは自分がいない所でも本当に存在しているのだろうかということだ。
自分の今見えている範囲意外は真っ白な世界かもしれない。
脳が自分を騙しているとかそんな話ではなく、実際に存在していないのかもしれないということだ。
自分が部屋にいるとき、今見えているドアの向こうは真っ白な何も無い世界が広がっていて、自分がドアを開けた瞬間にドアの向こうができているかもしれないのだ。
自分の知っている人もそうだ。
自分と会っていないとき本当にその人は存在しているのだろうか?
その存在を確かめるために電話をすれば、相手の声は確かに聞こえるが、声だけがなにもない世界から流れてきているだけなのかもしれない。
そもそも電話の相手は、自分が電話で話そうとした相手本人ではなく、違う「なにか」が話しているのかもしれない。
もちろん話した内容は自分が電話で話そうとした相手にちゃんと伝わっている。むしろ向こうの世界の共通の情報になっているのかもしれない。
ちなみにテレビ電話の画像も本当だろうか?作られた画像を見せられているだけなのかもしれない。
自分に会っていないとき相手は存在していないかもしれないのだ。
自分の視界に入った瞬間、というと少し言葉がおかしい気もするが、あるとき突然相手はなにも存在していなかった世界から出てくるのかもしれないのだ。もちろん会っていなかったときに何かをしていたという付加情報をつけてね。
ゲームをしていて他にも考えることがある。
町の人や敵のモンスター、果ては魔王まで全ての行動や言葉が決まっている。
自分はそのときそのとき色々考えて行動しているので違う気がするが、ひょっとしたら自分以外の他の人は生きてから死ぬまでの行動や言葉が決まっているかもしれない等だ。
もし今までの話しがそうだとしたら、何故自分だけ・・・。
ゲームをしていると色々とくだらないことを考えてしまう。
考える人はゲームを止め、考えることを止めた。
考える人は今回もくだらないことを考えたものだ。
考える人はくだらないことを考えたことを既に忘れてしまっている。




      続く

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考える人

        2




考える人は今回もくだらないことを考えている。
考える人は電車の中やバスの中など、人ごみの中にいるときに考えることがある。
ひょっとしたら超能力者がいて、自分の心を読んでいるのではないかということだ。
寝たふりをしているアイツだろうか、携帯をいじっているアイツだろうか、外の景色を見ているアイツだろうか。
みんな涼しい顔をしているがひょっとしたら自分の心を読んでいるかもしれないのだ。
考える人はそのときこう考える。
「おい、わかってるんだぞ!君が人の心を読んでいることは、お見通しだぞこんちくしょう!」と。
考える人はそのあと辺りを見回して不審なリアクションをしている人を探すが、皆無反応だ。
超能力者のほうも気づかれたくないのであろう。さすがにこの程度では正体を現さないようだ。
敵がこちらの心を読んでくるいじょう、普通の方法では敵の正体を探るのは難しい。
なにか突発的に反応してしまうようなことを考えなくてはいけない。
例えば、ダジャレなどでつい笑ってしまうとか、そんなことだろうか。
考える人は考えてみた。
「う~ん、え~とですね・・・整いました。人の心を盗み見る破廉恥極まりない超能力者め、しかと心を覗き見るがいいさ。いくぞ・・・・・コンドルがケツにつっこんどる。」
考える人は考えた瞬間、会心のダジャレにドヤ顔で辺りを見回すだろう。
なんだろう、なんか寝たふりをしているアイツも、携帯をいじっているアイツも、外の景色を見ているアイツも少しニヤついている気がする。
まさか、ひょっとしてこいつら全員が超能力者なのかもしれない。
しかし、そのことを確かめるすべを考える人は持っていない。
これ以上頭の中を覗かれるのも恥ずかしいし、考える人はできるだけなにも考えないようにするのだ。
考える人は今回もくだらないことを考えたものだ。
考える人はくだらないことを考えたことを既に忘れてしまっている。




        続く

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考える人

         1




人間はどうでもいいくだらないことを色々と考えてしまうときがある。
ここにそんなどうでもいいことを色々と考える人がいた。
本当にくだらないことをだ。
考える人は、主食と飲み物のベストコンビのことを考えた。
米にベストマッチする飲み物と言えばやはりお茶だろう。
ご飯にお茶をかけて漬物と一緒に食べると、さっぱりして物凄く旨い。おにぎりについてくる飲み物もたいていお茶だ。
米にはお茶がベストで問題はなかろう。
パンには牛乳である。
パンを食べてパサパサになっている口の中のものを牛乳で流し込む。
牛乳うま~~となるのだ。
パンと牛乳のコンビも問題は無いだろう。
しかし、主食は米とパンだけではない。
とうもろこしや芋を主食としている人もいるのだ。
とうもろこしにはなにが合うのだろう。
お茶だろうか?
合うことは合うだろうがベストマッチかというとそうでは無い気がする。
じゃあコーラ?ビール?
これもお茶と同じ、合うことは合うだろうがベストマッチかというとそうでは無い気がする。
なんということだ、まったく思いつかない。
考える人は考えるのが面倒くさくなってきたので考えるのを止めたいが、せっかく考えたので結論は欲しい。
考える人は適当な事を考え付いた。
素材で使われているなら合わないはずが無い気がする。
とうもろこしはコーンポタージュスープで芋はヴィシソワーズがベストマッチでいいや。
くだらないことを考えたものだ。
考える人はくだらないことを考えたことを既に忘れてしまっている。




         続く

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指輪捨て物語

        4




長い冒険の末、男はようやく山頂の火口にたどりついた。
男は振りかぶり、トルネード投法で思いっきり指輪を火口にぶん投げた。
「さよなら、ステファニー。」
男の口から無意識に言葉がとびだした。
その瞬間、全ての記憶がよみがえった。
男は出会って三日のステファニーに恋をした。
男の行動力はハンパではなかった。異常なほどの行動力の持ち主であった。
男は家に伝わる指輪を持ち出し、ステファニーにプロポーズしたのだ。
ステファニーはこう言った。
「ソーリー、アイ キャント スピーク ジャパニーズ」と。
男の思いはステファニーには届かなかった。
男は英語が全く話せないが、なんとなくステファニーが断っていると感じた。
男の妄想は激しい。きっとステファニーは「汚ったねぇ指輪だなおい。そんなお古の指輪であたいが喜ぶとでも思ってんのかい?あたいを喜ばしかったらダイヤやらルビーやらサファイアやらなにやらかにやらゴテゴテついた、ごっつい指輪でも持ってくるんだなゲヘヘヘ、イ~ッヒッヒッヒ。」と英語で言っていると思ったのだ。
言葉が通じない、すれ違いが生んだ悲劇だった。
男はショックのあまり我を忘れ記憶を失っていたのだ。指輪に抱いていた忌々しい負の感情は、このためだったのだ。
呆然として火口を眺めていた男に後ろから声がかかる。
「いい冒険したな。」
男が後ろを振り向くとそこには魔王と魔王の仲間、オジサンとオバサンが立っていた。
「父さん・・・母さん・・・。」
記憶を取り戻した男ははっきりと思い出した。魔王と魔王の仲間は父と母だったのだ。
父と母は指輪を持ち出した息子を面白がって尾行して見ていたのだった。家に伝わる指輪を捨てようとしたときはさすがに止めたけどね。
うなだれる息子を父は力強く抱きしめ、母はやさしく抱きしめた。
火口を見て母が言った。
「今夜はキムチ鍋ね。」
男の今回の冒険は終わった。つらい冒険であった。
キムチ鍋でも食べて、ゆっくり休むといい。
人生という大冒険はまだまだ続くのだから。



        完

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指輪捨て物語

       3



もうすぐ頂上だ。
しかし、またも男を試練が襲う。
山頂付近まで登った所で五十代半ばあたりと見えるオジサンが仁王立ちで待ち構えていたのだ。
オジサンの頭はバーコードのような髪型で、白い上下の肌着を着、そして腹巻をまいている。右手には酒の入った一升瓶、左手にはあぶったイカが握られている。
魔王に違いない。
男は臨戦態勢をとった。
オジサンは天が震えるほどの声で男にプレッシャーをかけた。
「貴様の持っている指輪を~~~!よこせ~~~!!!キエエェェ!」
強烈な威圧感が男を襲う。
男が指輪を持っていることを知っているということは、やはり魔王のようだ。
男はとりあえずエクスカリバー(ただの木の杖)でぶん殴ってみた。
「ふはははは、なんのつもりだ、この若造が。だ~っはっはっは。」
オジサンはぶん殴られても大笑いだ。
なんてことだ、全然効いていない。
そうである。オジサンは酒を飲んでいるので痛みをまったく感じないのだ。
おそろしい守備力である。
ひるんだ男の表情をオジサンは見逃さない。疾風迅雷、オジサンは一升瓶で殴りかかった。
「くらええええ!おっとっと、あああれぇえええ」
オジサンは酒によってフラフラしていたので攻撃の弾みで転んで山から転がり落ちていった。
さすが魔王、恐ろしい相手だった。
魔王を退治し、勇者と化した男は山頂へ向かい、歩きだすのであった。



        続く

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